1万人の町に教室を開校。震災後、地元仙台で教室拡大に奮起したSV(※)のチャレンジ

※SV(スーパーバイザー)  教室の立ち上げから運営まで先生をサポートし、子どもたちが学ぶ環境を共に作る役割を担う

物事には常にポジティブな面とネガティブな面がある。ポジティブを自分の味方につけよう!
未来がどんなに予想外でも、子どもたちがそれを楽しんで自分らしく羽ばたけるように。

現在、北海道・東北エリア約90教室のマネジメントを担当する庄子絹(しょうじ きぬ)。東日本大震災後に、「出身地である仙台の力になりたい」と志願して東北支社へ異動した経歴の持ち主です。
今回は、「震災でさまざまな国の人から助けてもらった子どもたちが、世界へ羽ばたくお手伝いをしたい」との想いを持つ庄子が、地元仙台でのチャレンジを語ります。

目指したチャレンジ

被災地の子どもたちが、
世界の人たちに英語でお礼を言えるようにしたい

自身の出産を機に「子どものために何かできないか」という想いが強くなり、30代半ばに名古屋でこの仕事に就きました。もともと英語や韓国語を教えていた経験もあったので講師という道もあったのかもしれませんが、先生たちのサポートをする方が、それまでの経験を活かせるのではないかと考えたんです。

そして2011年3月、東日本大震災が起こりました。出身地の仙台が大変なことになっている状況を知り、何もできない歯がゆさを感じる日々が続きました。
「今できることを今いる場所でやろう」、と気持ちを切り替えるのですが、気づけば「被災地のために自分は何をできるだろうか」と毎日考えてばかりいました。

東北の子どもたちがこれまでに経験したことがない、震災での体験。
その子たちが大きくなったときに、震災についての想いや支援してもらった世界各地の人たちへのお礼を自分のことばで直接伝えたいのではないか、伝えられるようにしてあげたい。地元仙台で英語を学べる場を広げることで、そういった子どもたちの想いをかなえられるといいなと思ったんです。同僚や上司にもその想いを聞いてもらっていました。

しばらくして東北への異動が決まり、地元の仙台に戻ることが叶いました。SVとしての私のミッションは、当時宮城県内で6教室だった東北エリアの在籍を拡大することです。
「震災で特別な体験をした町だからこそ、子どもたちにどんな環境でも生きていける力をつけて世界に羽ばたかせてあげたい。そのためには英語を学べる場である教室を広げたい」。
そんな想いで教室の誕生を支援してきました。私の想いに共感してくれた先生や、この先生と出会うために私は仙台に帰ってきたんだ、と感じるありがたい出会いが続き、教室は順調に増えていきました。

そんな中、山形県にある人口1万人強の町に教室を開校することになりました。

左 : 庄子、右 : BE Studio鮎貝教室・荒砥教室・東根教室 新野先生

チャレンジの成果

「この町の子どもたちの英語力を変えたい」、
願いを持つ先生と人口1万人の町に教室を開校

当時山形市内の英語教室に勤務されていた先生が一念発起し、ご自宅近くでの開校を希望してくれたのです。
「この町の子どもたちの英語力を変えることで地元に貢献したい」、それが先生の願いでした。

私たちが全力でサポートするとはいえ、英語教室のポテンシャルが未知数な地域での開校。生徒を集めることは非常に苦戦しました。ホームページやダイレクトメールなど、都市部で効果のある集客方法が通用しないのです。教室の場所探しも確認と交渉を繰り返し、希望するセンターの利用許可が降りるまでに1カ月くらいかかるなど一筋縄ではいきませんでした。

また、開校にあたって先生と契約を交わす際には賠償問題などセンシティブな話もしなくてはいけません。先生に信頼してもらえるように、言いにくいような事もこちらからしっかりお伝えするように気を付けています。
教室運営は先生と信頼関係が結べないと上手くいきませんからね。

嬉しいことに、開校時36人だった生徒数はその後80人にまで増えていきました。
開校して6年が経ち、当時小学生だった生徒さんは中学校のスピーチコンテストで賞を取ったり、町の代表で交換留学に行ったりしているそうで、そんなエピソードを先生から聞くと嬉しくなります。
生徒はほとんどが紹介で集まり、三兄弟で通われている方もいます。先生の熱心な指導があってこそですが、小さな町だからこそ紹介やクチコミがとても大切だと実感しましたね。

英語を学ぶ子どもたちが増え、町が変わった。先生の願いがこんなに短い間に叶った。それを先生が実感していることが、私の喜びです。

新野先生による教室レッスンの様子

これからのチャレンジ

教室数の拡大の次に実現させたいのは、
教室間連携による新たな価値の創出

私が着任したときに6教室だった宮城県内のビースタジオは、この8年で38教室まで拡大しました。子どもたちが英語を学べる場は確実に広がっています。
現在ビースタジオには、外国人講師からも学べるショッピングモール内などに入ることが多い「プラザ校」と、日本人講師が担当する地域密着型の「ホーム校」、ふたつのタイプの教室があります。2018年のブランド統一によってタイプの異なる教室が誕生したのですが、もっと連携できる仕組みや機会を作っていきたいと思っています。

例えばスピーチコンテストといった合同イベントなど先生たちに意見を募って、交流する機会を積極的に作っていきたいです。相互送客するにも、先生同士がお互いを知っていれば生徒さんへも安心して他教室を紹介できますよね。
このエリアの規模だからこそ、実現できるのではないかと思っています。違ったタイプの教室が連携することによって先生たちがお互いを知り、学び合い、力を合わせることで新しい価値を生み出せるんじゃないかと考えています。

一緒に働くメンバーからの声

庄子さんはどんなチャレンジングなこともトライを楽しみ、失敗も楽しみ、最終的に大成功!に導く力をもった本当に心強いリーダーです。
東北の先生方の元気さは有名ですが、その源は紛れもなく庄子さん!
会う人を笑顔にする魅力溢れるスーパーウーマンです。

東日本エリア課 松本純子